男性特有の癌には、前立腺がん、精巣がんなどがあり、それぞれの初期症状を理解しておくことが早期発見に繋がります。男性も女性と同様に、体の変化に敏感になり、気になる症状があれば速やかに医療機関を受診することが大切です。まず、前立腺がんは、男性ホルモンの影響を受ける癌で、高齢になるほど発症リスクが高まります。初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると前立腺肥大症と似たような排尿に関する症状が現れることがあります。「排尿困難」(尿が出にくい)、「頻尿」(尿の回数が多い)、「残尿感」(排尿後も尿が残っている感じがする)、「排尿時の痛み」などが挙げられます。また、夜間に何度もトイレに起きる「夜間頻尿」も一つのサインです。さらに進行すると、血尿や血精液症が見られたり、骨に転移することで腰や股関節の痛みが生じたりすることもあります。これらの症状は、前立腺肥大症でも見られるため、自己判断せずに泌尿器科を受診し、PSA検査(前立腺特異抗原検査)などを受けることが重要です。定期的なPSA検査は、特に50歳以上の男性において前立腺がんの早期発見に有効とされています。次に、精巣がんは、比較的若い年齢層(15~35歳)の男性に多く見られる癌です。初期症状として最も多いのは、「精巣のしこり」や「腫れ」です。精巣の大きさが変化したり、硬くなったりすることがあります。通常、痛みは伴わないことがほとんどですが、時に鈍い痛みや違和感を感じることもあります。自己触診で発見されることも多いため、普段から自身の精巣をチェックする習慣を持つことが大切です。もし、しこりや腫れに気づいたら、すぐに泌尿器科を受診してください。精巣がんは進行が速い一方で、早期に発見して治療すれば治癒率が高い癌としても知られています。これらの男性特有の癌は、症状が出にくい場合も多いため、自身の体の変化に意識を向け、少しでも気になる症状があれば、恥ずかしがらずに専門医の診察を受けることが、早期発見・早期治療への最も確実な道となります。
男性特有の癌の初期症状